コラム

胃潰瘍・十二指腸潰瘍かも?!管理栄養士の胃の調子が悪いときの食事

2025年2月16日

食トレーニング研究所長 管理栄養士 木下ともえです。

ここ数日、胃の調子が悪く、胃にやさしい食事を心がけています。

トライアスロンをしたり、マラソンをしたりと年齢の割に(笑)、活動的な私ですが、実は胃弱体質

今まで胃潰瘍十二指腸潰瘍に何回もなっています。

ピロリ菌がいるんじゃない?」

って思われる方も多いと思いますが、もちろんピロリ菌検査済み。

ピロリ菌はいませんでした。

この記事では、胃弱体質の管理栄養士の胃の調子が悪い時の食事についてまとめてみました。

胃潰瘍や十二指腸潰瘍とは?原因は何?

胃潰瘍はストレスが原因と思われがちですが、ストレスが原因の胃潰瘍は少ないようです。

消化性潰瘍(かいよう)とは、胃や十二指腸の内面が胃酸や消化液で侵食されて、円形やだ円形の傷ができた状態をいいます。

消化性潰瘍で群を抜いて最も一般的な原因は以下の2つです。

・胃のヘリコバクター・ピロリ感染

・非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)の使用

ピロリ菌(H. pylori)の感染は、十二指腸潰瘍の人の50~70%、胃潰瘍の人の30~50%にみられます。

消化性潰瘍の50%以上でNSAIDの使用が原因となっています。

MSDマニュアル家庭版 消化性潰瘍より引用

ピロリ菌が原因じゃないとすると、私の不調は非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDエヌセイド)の使用?

非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)は、解熱・鎮痛・抗炎症作用のある薬の総称で代表医的な薬剤はロキソニン

確かに、生理痛や頭痛の時に服用することはあるけれど、最近は服用していないんですよね。

ということは、ストレス?

思い当たるところはありますが、違うような気がします。

胃弱体質なのに、最近、コーヒーをよく飲んでいたこと、七味やからしを料理にたくさんかけたりしていたこと、ナッツをよく食べていたこと、食事時間が遅い日が多かったことが原因ではないかと推測。

幸いなことに、今週、健康診断で胃内視鏡検査を受けることになっていたので潰瘍ができているかを確認してもらいます。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の方向けの食事

胃潰瘍と診断されたわけではありませんが、普段と同じ食事が難しいので、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の方向けの食事を参考に食べ始めました。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍のときの食事のポイント

胃潰瘍・十二指腸潰瘍のときの食事のポイントはこちら。

  • 胃粘膜を刺激する食品、胃酸分泌を高める食品を避ける
  • 脂肪が多い食品や食物繊維が多い食品を控える
  • 塩味や酸味が強いものを避ける
  • 熱すぎる、冷たすぎる、硬すぎるものを食べない
  • 早食いをしないで、ゆっくりよく噛んで食べる

食事にけっこう気を配っていると思う管理栄養士の私でも胃に優しくない食事をけっこうしています。

具体的に胃潰瘍・十二指腸潰瘍のときに食べたい食品と避けたい食品をまとめてみました。

  胃潰瘍・十二指腸潰瘍の時に食べたい食品 胃潰瘍・十二指腸潰瘍の時に避けたい食品
主食 おかゆ ごはん もち うどん パン 玄米 雑穀 スパゲッティ ラーメン 焼きそば
主菜 白身魚 鶏肉 卵 豆腐 はんぺん バラ肉 ベーコン ハム うなぎ サバ ブリ タコ イカ エビ 貝類 干物 揚げ物 炒め物
副菜 キャベツ ほうれん草 小松菜 白菜 大根 人参 玉ねぎ 里芋 じゃがいもの煮物や温野菜 ごぼう たけのこ セロリ とうもろこし きのこ 山菜 さつまいも こんにゃく えんどう豆 大豆 海藻
果物 りんご メロン バナナ 桃 缶詰 みかん グレープフルーツ レモン パイナップル 梨 柿 アボカド ドライフルーツ
調味料 バター マヨネーズ 香辛料 香味野菜 酢
飲み物 牛乳 豆乳 コーヒー 紅茶 抹茶 ココア 炭酸飲料 アルコール
ただし、食べたい食品を食べ過ぎたり、避けたい食品を一切食べないという極端な食事はしないでくださいね。

カラダによいとされる食品も摂りすぎればカラダによくない影響を及ぼしますし、避けたい食品に好きなものが入っていて一切食べずに我慢してストレスで胃潰瘍が悪化するということがあったら本末転倒なので。

胃に優しい食事のためにPFCバランスを変更

胃潰瘍というと絶食というイメージの方もいらっしゃるかと思いますが、実はよほどひどい状態でない限り、しっかり食事は摂ったほうが治りが早いようです。

脂質が多かったのが胃の負担になったのかと考え、PFC(たんぱく質、脂質、炭水化物)のバランスを変えました。

ちょっと話がそれますが、昨年1月から体重が減り始めてしまい(活動量が多すぎるのに食事を増やさなかったのが原因)、カロミルという栄養管理アプリで栄養の管理を始めました。

そこでお勧めされたPFCバランスで食事を摂っていました。

P(たんぱく質) 18%
F(脂質) 27%
C(糖質) 55%

アプリを使ってみて、いつも脂質が足りないことが判明。

胃弱体質で特に脂質に弱いので、自然と低脂質な食事になっていました。

おすすめのPFCだといつも脂質が足りないので、ナッツをよく食べるようになりました。

ナッツは、動物性の脂質よりも胃にもたれにくいし、摂取量も調整しやすいのです。

また、体重を増やすためには、食事摂取量を活動量より増やす必要がありますが、一番簡単に摂取エネルギー(カロリー)を増やすには脂質を増やすのが手っ取り早いのです。

なぜなら、たんぱく質や炭水化物は1gで4kcalですが、脂質は1gで9kcalと少量でしっかりとエネルギーを摂ることができます。

逆に言うと、少量でも太りやすいということです!

潰瘍が早く治り、再発しないようにPFCバランスを変えることにしました。

P(たんぱく質) 18% → 18%
F(脂質) 27% → 20%
C(糖質) 55% → 62%

潰瘍を治すためには良質のたんぱく質が重要なので、たんぱく質の割合は変えずに脂質を減らし、胃酸の分泌を促進しない糖質を増やしてエネルギーを確保します。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の時に食べたい食品・避けたい食品をもとにこのPFCバランスで食事を摂っていきます。

胃弱体質なのでこの本『胃・十二指腸潰瘍の安心ごはん: 消化がよく胃腸にやさしい 』を持っているかと思って探してみたら、持っていなかったので、早速、Amazonでポチっとしました。

届いたら、しっかり読んで食事をアップデートさせます。

胃内視鏡検査の結果が出たら、報告しますね。

-コラム

© 2025 食トレーニング研究所